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ザ!霊障

ザ!霊障 第一部 12

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 当時の記録より。
〔平成26年2月18日
 柚矢は、高校を卒業し働き始めた当初から、同じ課内の先輩同僚とうまくいかずに、服装が若いのに明るくない、家の洗剤(シャンプー)の匂いが臭いだとか、挙句「消臭スプレーを使った方が良い」と言われ続けていた。どうして化粧しないの? とか、若いのにどうしてスマホじゃないの? 等、何か業務に関係あります? ということを連日言われ、耐えかねてそれを課長に相談したら、今度は徹底的に無視する作戦に出たらしく、仕事も教えてくれないという状態をほぼ1年間。
 柚矢は泣きながらも毎日なんとか頑張っている。それでも、根本的に人との関わり方とか、人生の捉え方とか、仕事に対する姿勢だとか、本人にも反省すべき点はあるし、相手にも尊敬すべき点もある筈である。そういうことを学ぶための期間なのかもな、とも思えるが。もっと、おおらかに人生を泳いでいかないと、無意味に磨り減って疲れ果ててしまうことは必至だ。

平成26年3月11日
 心療内科とか精神科とか、メンタル的な病院って朱鷺は縁がなくって、本日は「なんだかな~」の日でした。
 柚矢のことで。
 今、確定申告の受付などもやっているらしいのだが、それをやると日常業務が滞る。だから、申告会場での仕事があった日は大抵残業してくるので、昨日もそれで遅くなっているんだな、と思っていた。
 今は、冬季期間中で寒いし雪道だし、自転車での通勤は難しいんで、朱鷺がバイトに出るついでに送迎している。特に最近かなぁ、週のうち半分は泣いて帰ってくる。理由はまぁ様々であろうが、人間関係とそれに伴う仕事のことだ。それが、昨日は、「(仕事を)しなきゃと思っても何にも出来なくて、ぼーっとして1~2時間過ごしてきた」「集中して話を聞かなきゃと思っても、何にも聞いていない」というパニック障害のような、極度な生理的拒絶反応が起きたらしい。
 詳しく聞くと、3月に入ってからずっとあったそうだ。言われたことをすっぽり忘れる。何度も同じことを注意される。優先順位を書いて前に貼っても、気がつくと全然別のことをやっている。
 それはもう精神科の領域かな、と思った。病院に行きたいというので、朱鷺の少ない、しかし、有力な人脈を数人頼っていろいろ聞いてみた。
 で、精神科も心療内科も朱鷺には違いがよく分からなかったし、やはりそういう科に縁のある人ってのもあまりいない。通うなら近くの方が良いので、車で行ける範囲の心療内科を探してみて行ったのだが。
「眠れない、食べれないというストレスに寄る内科症状が出ないと医者の領域ではない」
 で、5分で終了。
 なるほど。投薬出来なかったら金にならんし、そもそも、内科なんだから、そういうことか、と。
 鍼灸師は、オールマイティ、なんでも診るし、どんな患者の話もとりあえず聞く。そして、手に負えなければ紹介すべき病院を探す。それを期待しちゃいけないんだろうけど、医療者ってのは、本来、そういうものではないのか?
 そして、吉本ばななさんの文章を思い出す。
「病気になった人のほうがつらいと、誰が決めたのだろう、と私は思った。病気にならず、泣かず、ちゃんとごはんを食べて、散歩もして、友達に会ったりしている人のほうがつらいということもあるかもしれないと、なぜ彼は思わなかったのだろう。」
「他に恋人も作らず、アルバイトだけして就職もせずただ彼との時間を作るように工夫をして、連絡を取る手段を得るために携帯電話やパソコンを駆使して、いつも待機していた私の青春全体がもはやノイローゼ的でなかったと誰に言えるだろうか。」
 福島県大熊町から避難して、会津若松市に住んでいる高校生が、学校では明るくてムードメーカーで…という子なのに、週に一度カウンセリングに通っている。「被災している人としていない人、震災の捕らえ方が違う」被災している人の心は、その人にしか分からない。どんな体験をしてきたのか。何を見て、何を祈って、何を感じてきたのか。そして、家を、町を、家族を、近所の人を失った人の心の喪失感はそれを抱えていない人には理解されないものだ。いや、共感して、想像出来るけど、悪気がなくても、抱え続けていることを、忘れられてしまうのだ。
 苦しんでいる人以外、それは想像するしかない他人事で、黙って寄りそう以外、本当は何も出来ることはない。
 今回の柚矢の職場の人間関係について。
 朱鷺は基本、人間関係のモンダイがあったとき、どちらか一方だけが完全に悪いということはないと思っている。赤穂浪士の教訓(?)のように喧嘩両成敗だ。それに、確かに柚矢本人にも問題がない訳じゃないと思う。
 周囲に興味がなくて、器用貧乏だから、死に物狂いの努力をしなくっても、なんでもすぐに出来てしまう。ものすごく読書家だから、知識の量は半端なくて、バカな会話には多少、軽蔑的な表情をしてしまうこともあるのかもしれない。しかし、柚矢が嫌悪するのは、知識がないこととか頭が悪いこととかじゃなくって、他人の陰口・悪口に対してであり、物を粗末にすること(だから、頼んだ物をさっぱり食べない飲み会が大嫌い)に対して、というごくまっとうなことに対してだと朱鷺は思っている。(もちろん、身内贔屓だ。)そして、柚矢も朱鷺も、すみません、世間一般からズレているのだ。何もかも。
 柚矢の興味の対象が、道端に咲く花とか、巣の材料を運ぶ小鳥の姿とか、職場付近に出没する猫。それから、芸術家であるが故に、その方面の興味・関心しかない。だから、ファッション性の高い服やバッグや靴、シャンプーの銘柄などの一般会話が出来ない。興味がない。スマホがどうとか、他人の持ち物にも興味がない。まぁ、他人に興味がないのは朱鷺も同じ。それでも、他の職員や守衛さんとは普通に会話をし、冗談も言い、笑ったりもしている。小中高と友人もいたし、誕生日を祝ってもらったり、仲良しの皆で焼肉をしたり、かくれんぼやカゴメカゴメをしたり(中学3年時点でだゾ)ごく普通の友人関係を築いてもいた。
 などと、言い訳めいたことまで語ってしまったのは。その先輩同僚に、コミュニケーション障害(コミュ障)だと言われたからだ。
 柚矢の同僚の女性は、周囲の人間の悪口・陰口が大好きで、世話好きで、自分の思うとおりの反応が返ってこないと攻撃に転じる。(これは、一方的な朱鷺の見解)
 見方を変えれば、親切にいろいろ教えてくれようとしていたのかも知れない。良かれと思っていろいろ助言してくれていたのかも知れない。今でも思うが、根っから悪い人間なんていないと思う。
 だけど、あまりに間口が狭量で、人間が小さいのではないだろうか。
 何故なら。
 一緒に仕事をして半年以上が経過しても、彼女の言動はまったく変わらず、毎日、同じことを言い、次第にエスカレートしてきたのみ。シャンプーの銘柄がどうのという話についてだが、朱鷺宅は時雨(しぐれ)も柚(ゆう)矢(や)もアトピー傾向があるので、洗剤もシャンプーもすべて自然な成分のみの通販商品を使っている。今まで生きてきて、朱鷺はその匂いについて誰かに何かを言われたことはないし、誰かのシャンプーの匂いを気にしたこともない。しかし、彼女は言ったそうだ。「そんなに気になる匂いじゃないけど、 気にする人もいるから消臭スプレー使った方良いよ」。
 消臭スプレーを使えなんて、面と向かって言う人がいるんだ、と新鮮な驚き。
 そして、柚矢も参加を義務付けられている彼女が担当の新人研修のとき、「スメルハラスメント」というネットから見つけたらしい記事を配り、臭いのはハラスメントの一種だと説明したらしい。開いた口が塞がらない、という衝撃を受けた。
 自分の話題に反応しない新人がよほど気に入らないのだろうか。乗ってこない相手など放っておけば良いのではないか、と朱鷺なら思うのだが。同じことを毎日言われることにもいい加減ウンザリしていた柚矢に、まだなんとかなると考えていた頃、朱鷺は人間関係が円滑でないと仕事も楽しくないだろうと「相手の話題にどうしても乗れないなら、こっちから(自分の語れる)話題を振ってみれば?」と提案してみた。
 趣味のハナシなら柚矢にも語れることはあるし、専門知識を聞くのは得意分野ではなくても発見があって面白いものだから。いや、朱鷺なら専門家の話を聞くのは好きなんだがね。
 そして、玉砕。
 まぁ、相手が猫だの鳥だの或いは芸術関係に反応してくれる訳はないとは思ってたけどな。
 そうこうしている内に、柚矢は精神的に追いつめられてきて、たまりに溜まって爆発することが何度かあった。大抵は物に当たり、ガラス製品を壊したりしていたが、攻撃はときに自分自身に向かう。何より、それが怖かった。
 本人には、言うべきことは言ってきた。問題は、自分自身にもあるんだということも。とにかくもっと周囲に興味を抱いて、まぁ、つまりは「愛」がないと仕事なんてうまくまわらないんだと。
 しかし、それにも限界を感じ、朱鷺はこっそり、直属の上司ではなく一つ上の課長宛に直訴してみた。
「一緒に仕事をさせていただいている職員の方につきまして、そろそろわたしも「いい加減にしろ!」という憤りが爆発寸前にまで達しまして(中略)どう考えましても指導というよりは単なる嫌がらせにしか思えない扱いをほぼ毎日に渡って受けている感があり、このままでは本人が精神的に参ってしまうだろうことが予想されます。
 毎日のお仕事が大変お忙しいところ、まことに恐縮ですが、出来れば課長が入っていただいて、本人たちと、職場での最低限のマナーについて、仕事について、お話し合いをしていただけないかと思います。
 職場での詳しいことは本人の口から聞いていただきたく思いますし、こちらが一方的に抱いている感情になりますのでここでは触れません。お互いの言い分もございますでしょうし、お手数ですが、当事者一人一人から(一緒にではなく、出来れば一人ずつ)考えを聞いていただければ、と大変恐縮に存じますが、お願い申し上げます。」
 という手紙を差し上げた。
 これを書いたのが10月7日。そして、その後、その課長から呼び出されて話をしてきた。具体的にどんな風かと聞かれて、朱鷺は前述のことを話した。
 その後の課長の対応は、う~ん、と首をひねらざるを得なかった。その、同僚の女性に、彼女の考えや意見を聞くではなく、ただ、そのまま! 話したらしい。家族に会って、話を聞いたこととか、すべて。それで「ご家族の方からこう言われたので、もう少し気を付けてください」のような注意をしたらしい。
 その同僚の女性はどうしたか?
 一頻り、「社会人にもなって…」的な嫌味を目の前で騒ぎまくり、「病ませられる方が悪いんじゃない?」等不快さを露わにしたそうだ。でも、それも少しは分かる。だって、「その方にも言い分があると思いますから、お話しを聞いて差し上げてください」と朱鷺はお願いしたんだから。それを家族から苛められていると訴えられてるから、気を付けてください、のような感じで一方的に注意を受けたら腹が立つに決まっている。事態が悪化することは自明の理だ。
 それ以来、彼女は柚矢を完全無視! だそうだ。仕事を聞いても「知らない」と言われる。柚矢はそれ以来、仕方がなく他の課に移っている前任者に聞きに行ったり、前の記録を調べてそれを参考にしたりするしかなくなった。それで間違いが起こって、更に嫌味を言われる。
 それを聞いたとき、むしろ、朱鷺はホッとした部分もあったのだ。何故か? もしも彼女が反省し、気付かなくてごめんね、のような態度を示したら、多少なりともこちらの被害妄想、彼女の好意を曲解していたのだということになったのだから。それが、まるで小学生か? と呆れる態度。やはり、その程度の人間か、という結論に至ったのだ。  
 ただね、そういう人間関係に巻き込まれるなら、そういう何かを背負っているのかも知れない、という思いもあって、いつも「つまんない」と考えてないで、内心は違っても良いから、笑顔を作れ! と散々言い続けてきたし、それは今でもそう思う。笑いは笑顔を呼び、笑顔は幸福を引き寄せるとほんとうに思うから。
 だけど、言葉でそれを言い続けることにそろそろ虚しさを感じる。理解は頭でするのではなく、心でするもの。言葉だけでは決して伝わらない。朱鷺が楽に生きる模範を目の前で見せてやれば良いのか? と楽しく生きてみせてもいる。(いや、これにも実は多大な無理が潜んでいるから、それがマズイのかも知れないが)
 これ以上、どうすれば良いのだろうか、と思わなくもない。だけど、諦めるわけにはいかない。
 生きなきゃならないなら、自らをまっとうしたい、と。

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