こくはく
こくはく 14 告白
さて。
私としては最高にお洒落して心も軽く彼とのディナーに出掛けた。もしかして、なんてドキドキしながら。なのに、彼はなんだかあんまり楽しくなさそうだった。いや、楽しくなさそう、っていうんじゃない。どう言えば良いのか? そう、ずっとどこかソワソワしていて、私のおしゃべりにも上の空で。
食事は素敵だったし、私のテンションはそれでも高くって彼と向かい合って座っているだけで幸せだったのだけど。
デザートが運ばれ、いい加減お腹いっぱいだったけど、可愛いスイーツは‘ベツバラ’よね、と思っていたとき。
「あの」
彼が私を見つめた。なんか、ものすごく真剣で私は「もしかして」と一瞬期待する。
「俺と…その、け…っ、け…」
「け?」
結婚してください、かな。いや、それとも、景色が綺麗ですね、とかいうフェイントありかな? それとも、ケーキの方が良かったかな? とか。
「いや」彼は一旦言葉を切って、私から視線を外す。そして、ややあって、もう一度私を見た。その目はなんだか、泣きそうに見えて私はドキリとする。まさか、別れ話? とか?
すう、と息を吸って、吐いて、彼は口を開く。
「俺と、…結婚を前提にお付き合いしてもらえませんか」
「…」え、あれ?
「ねえ」
私は、言った。
「私たちって、まだ付き合ってなかったの?」
私としては最高にお洒落して心も軽く彼とのディナーに出掛けた。もしかして、なんてドキドキしながら。なのに、彼はなんだかあんまり楽しくなさそうだった。いや、楽しくなさそう、っていうんじゃない。どう言えば良いのか? そう、ずっとどこかソワソワしていて、私のおしゃべりにも上の空で。
食事は素敵だったし、私のテンションはそれでも高くって彼と向かい合って座っているだけで幸せだったのだけど。
デザートが運ばれ、いい加減お腹いっぱいだったけど、可愛いスイーツは‘ベツバラ’よね、と思っていたとき。
「あの」
彼が私を見つめた。なんか、ものすごく真剣で私は「もしかして」と一瞬期待する。
「俺と…その、け…っ、け…」
「け?」
結婚してください、かな。いや、それとも、景色が綺麗ですね、とかいうフェイントありかな? それとも、ケーキの方が良かったかな? とか。
「いや」彼は一旦言葉を切って、私から視線を外す。そして、ややあって、もう一度私を見た。その目はなんだか、泣きそうに見えて私はドキリとする。まさか、別れ話? とか?
すう、と息を吸って、吐いて、彼は口を開く。
「俺と、…結婚を前提にお付き合いしてもらえませんか」
「…」え、あれ?
「ねえ」
私は、言った。
「私たちって、まだ付き合ってなかったの?」
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